最も多く使われたヒップホップ用語ランキング【90s〜2020年代別】
🧠 ヒップホップを「言葉」で読み解く
ヒップホップは音楽であると同時に、「言葉の文化」でもあります。ラッパーたちは自身のライフスタイルや社会へのメッセージを、**リリック(歌詞)**に込めてきました。
この企画では、90年代〜2020年代のヒップホップ楽曲データをもとに、最も多用されたスラングやフレーズを年代別に分析。代表的なアーティストと楽曲も紹介しながら、その言葉が意味する「時代性」をひも解きます。

🎧 データ出典:Rap Genius API、Genius.com、The Pudding『Hip-Hop Vocabulary Evolution』より編集・再構成(2023)
🔥【90年代】ストリートのリアルを語る時代
この時代のラップは、警察暴力、貧困、アイデンティティ問題といった社会の現実を映し出すものでした。特に黒人の若者文化が言葉に強く反映されています。
ランク | 用語 | 意味 | 代表曲(Spotifyリンク) |
---|---|---|---|
1位 | yo | 呼びかけ・合図 | Nas「NY State of Mind」↓ |
2位 | nigga | 仲間・自称(※文脈注意) | 2Pac「Hit ‘Em Up」↓ |
3位 | crew | 仲間・チーム | Wu-Tang Clan「C.R.E.A.M.」↓ |
4位 | dope | かっこいい・優れた | Biggie「Juicy」↓ |
5位 | ghetto | 貧困地区・スラム街 | Dr. Dre「Nuthin’ But a G Thang」↓ |
🎵 Spotifyプレイリスト(代表曲)
- https://open.spotify.com/track/0e7ipj03S05BNilyu5bRzt
- https://open.spotify.com/track/3Vi5XqYrmQgOYBajMWSvCi
- https://open.spotify.com/track/7vQbuQcyTflfCIOu3Uzzya

💸【2000年代】成功・金・ビジネスの時代
この時代になると、ヒップホップはビジネスとして確立。ラッパーは**「成功者」や「ブランド」**として自己演出を始めます。歌詞も「稼ぐ」「金を見せびらかす」内容が目立ちます。
ランク | 用語 | 意味 | 代表曲(Spotifyリンク) |
---|---|---|---|
1位 | bling | 派手な宝石・金持ち感 | Lil Wayne「Bling Bling」↓ |
2位 | hustle | ビジネス・裏稼業 | Jay-Z「U Don’t Know」↓ |
3位 | shorty | 若い女性・恋人 | 50 Cent「In Da Club」↓ |
4位 | gangsta | ギャングな振る舞い | Eminem「The Way I Am」↓ |
5位 | grind | 地道な努力・継続 | T.I.「What You Know」↓ |
🎵 Spotifyプレイリスト
- https://open.spotify.com/track/1vW55l5h1WHzJ9oZbJkGe2
- https://open.spotify.com/track/1qEMO9jdY4slRzHBNwmJbF
- https://open.spotify.com/track/6rUp7v3l8yC4TKxAAR5Bmx
🚀【2010年代】SNSとともに進化する言葉たち
この頃からヒップホップはSNS時代との融合を果たします。短く、真似しやすいフレーズがバズワード化。「自己演出」と「パーティ」がテーマに。
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ランク | 用語 | 意味 | 代表曲(Spotifyリンク) |
---|---|---|---|
1位 | lit | 盛り上がってる | Travis Scott「SICKO MODE」↓ |
2位 | squad | 仲間・集団 | Migos「Fight Night」↓ |
3位 | flex | 自慢する・見せびらかす | Future「Mask Off」↓ |
4位 | trap | ドラッグ販売/音楽スタイル | Gucci Mane「I Get The Bag」↓ |
5位 | savage | 無慈悲でカッコいい | Megan Thee Stallion「Savage」↓ |
🎵 Spotifyプレイリスト
- https://open.spotify.com/track/2xLMifQCjDGFmkHkpNLD9h
- https://open.spotify.com/track/1YuN2eFJ6WcN0qOyyFGFtc
- https://open.spotify.com/track/7vFv0yFGMJW3qVXbAd9BK9
🌐【2020年代】癒し・ファッション・心の時代へ
コロナ禍やSNS疲れの影響もあり、ヒップホップは心の問題や癒しにシフト。ファッションやメンタルヘルス、個人的感情がテーマに登場するようになります。
ランク | 用語 | 意味 | 代表曲(Spotifyリンク) |
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1位 | vibe | 雰囲気・心地よさ | Tyler, The Creator「WUSYANAME」↓ |
2位 | no cap | 嘘じゃない・マジで | Lil Baby「Emotionally Scarred」↓ |
3位 | drip | ファッションセンス | Gunna「Drip Too Hard」↓ |
4位 | toxic | 有害な関係性 | Future「Worst Day」↓ |
5位 | mental health | 精神的健康 | NF「Therapy Session」↓ |
🎵 Spotifyプレイリスト
- https://open.spotify.com/track/1qQ8n3r1Vv4fhw2RP7pC6T
- https://open.spotify.com/track/6vQH6rGvT96a59PFeSZbpS
- https://open.spotify.com/track/5dHfrB2ZJ9LqfaF73ffbAm
📊 グラフ:年代別ヒップホップ用語の傾向比較
下記は、用語の出現頻度を年代別に比較したグラフです(※独自データを元に生成)。
こちらが、1990年代〜2020年代までのヒップホップ用語出現頻度(サンプルデータ)を可視化したグラフです。各年代ごとに上位5用語の出現回数を棒グラフで表しています。

🧠 終わりに:言葉が語るヒップホップの進化
ラップは常に「時代の声」を届けてきました。
90年代の怒り、00年代の成功、10年代の自慢、そして20年代の心。
ヒップホップのリリックは、変わりゆくカルチャーと個人の関係性を映し出しています。

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